九月(くがつ、1992年〈平成4年〉9月21日 - )は、日本のお笑い芸人、随筆家。

略歴

1992年、青森県八戸市出身。幼少期から理系と公務員の多い親族に囲まれ、反動から人文系と芸術に関心を持って育った。青森県立八戸高等学校に進学する。

親に「東大か京大に行けたら何をやってもいい」と言われたことをきっかけに、自由な学風への憧れから京都大学を志望する。土地で学ぶことはその土地の養分を吸うことだと捉え、青森の養分を持つ自分に京都の養分を掛け合わせたいと考えていた。

高校卒業後、一年浪人した後に京都大学教育学部に進学。教育学部を選んだのは、小中高と自分が受けてきた学校教育に疑問を持っていたからだった。大学進学によって自由で奇天烈な人生がスタートすることを期待していたために、入学後、明確にエリートコースを歩もうとしている周囲とのギャップを感じ、「ここにいたら凄い人間になってしまう」と落胆し、大学に行かなくなる時期を経験している。

大学3年時に「勉強自体はしよう」と一念発起し、熱心に勉強を始める。大学を卒業後、研究職に就くことを念頭に京都大学大学院教育学研究科へ進学する。現象学、社会学に傾倒し、社会的現実の多元性について研究していた。また、在学中はオルタナティブ教育の事業に関わるなどした。

大学院修士課程在学中の2016年、お笑いコンビ「カフカ」を結成し、関西地方を中心にライブ活動をスタートする。活動のジャンルは音楽や演劇、映画、美術など何でも良かったが、たまたま最初にできたものがお笑いだった。大学院在学中に対人関係で悩むことが増え、現実逃避をするつもりで単独ライブ開催にのめり込んでいった。

大学院生と並行して活動していた時期は、夜8時から朝5時までショーパブに出演し、廃棄弁当に齧り付くような「今どき珍しいくらいの下積み」を経験した。大学院を修士課程の修了によって卒業したとき、「コントの制作と披露以外何もしていない人」になっており、「気が付いたらいつの間にか芸人らしきものに」という形で芸人となった。

2018年8月、同コンビを解散。

2019年4月、新たにお笑いコンビ「カフカと知恵の輪」を結成し、ライブ活動を行う。同年9月に同コンビを解散。

2019年9月、ピン芸人「九月」としての活動をスタートし、2020年春に活動拠点を東京に移す。

2021年7月、青森県八戸市への凱旋公演を開催した。

2023年8月、初めての著作であるエッセイ集『走る道化、浮かぶ日常』(祥伝社)を刊行した。

人物・エピソード

  • 自身の性格については、「子どもの頃から好きなことを寝ないで何十時間も続けるタイプだった。計画を立てるより、パワーと根性、好奇心で動く方が好き」と述べている。
  • 太宰治、フランツ・カフカ、中原中也などを愛読しているほか、レディオヘッドやSyrup16gを愛聴している。
  • 学歴至上主義については批判的な態度を取っており、芸人活動の上では学歴を押し出していない。
  • 部屋の壁に、アイドルのポスターを貼る感覚で、漢字の「葱」と書いた紙を大量に貼っている。「葱」のほか、「匁」「了」なども好きである。文字全般が好きであるが、Twitterのダイレクトメッセージで胸元に「羅生門」と書かれた画像をもらったときには、「独自のセンス見せんな」と思った。
  • 性の目覚めは忍風戦隊ハリケンジャーの悪役、ウェンディーヌだった。
  • 実家における、20時にコーヒーを飲み、各々が好きなことに取り組む風習についてのツイートが話題となった。自由な教育環境について賞賛する反応が集まった一方で、「そんな時間にカフェインを飲むと眠れなくなるだろ」などというリプライを受け、言い負かされる形となった。
  • 日本唐揚協会のサイトにおける唐揚げの定義に関するツイートが話題となったことをきっかけに、日本唐揚協会の認定するカラアゲニストになった。
  • 将来的な目標については、「完全な妖怪になりたい」と述べている。
  • 2020年頃からSNS上でのアカウント「九月の『読む』ラジオ」において、文字媒体で質問に答える配信を行っている。丁寧な回答が評判を呼び、たびたび話題となっている。

芸風

  • 一人芝居風のコントからなる単独公演を中心に活動している。ぼんやり日常を空想したような世界観が特徴である。
  • YouTubeチャンネルに毎日コント動画が投稿されており、持ちネタは「生徒指導の限界」「人殺しの中華丼」など千本以上に上る。小道具や音響や照明や衣装などは極力使われず、大半のコントが身体一つで行われる。
  • コントは5〜10分ほどのものが多くを占める。それぞれ、気になる単語を道具に、自分の生活に密着した違和感、疑問、発見、出来事への感想などから組み立てられており、故郷である青森の空気感、学生時代を過ごした京都の空気感などが反映されている。コントは生活が真空パックされたものであり、日記や手紙、エッセイに近いと述べている。
  • 共通語、東北弁、関西弁を話すことができ、コントの内容に応じてそれぞれ使い分けている。
  • コント制作については、「何か伝えたいメッセージがあるとか、自分の中から湧き上がるものがあるとか、そういうのは一切ない」「あたりまえの日常や常識が変容する瞬間が好きで、そんな瞬間をコントで切り取るようにしている」「日常とフィクションの境界を溶かすことがテーマの一つとしてある」「いま見えている現実とは違う在り方に期待する感覚は、作っているものすべての根底にあるかもしれません」などと述べている。
  • 2019年12月からは、48時間〜72時間ライブ会場に軟禁され、コントを披露し続ける形式の単独公演「軟禁ライブ」を行っている。差し入れされたもののみを飲食し、来客がある間は延々とコントを披露し続けるライブである。ライブ内では、お題を募集しての即興コントなども行われる。「最も辛くなるのは30時間経過ぐらいであり、それを超えたあたりから全てが楽しくなる」と述べている。
  • 芸人としての自分の役割について、「初めてお笑いライブを見る人や、お笑いという文化に抵抗を持っていた人たちを劇場に連れて来ることかもしれない」と述べている。

作品

  • 走る道化、浮かぶ日常(2023年8月、祥伝社)

単独公演

出演

  • スピードワゴンの月曜The NIGHT (AbemaTV)
  • 指原莉乃&ブラマヨの恋するサイテー男総選挙 (AbemaTV)
  • カチコチTV(FANZA TV)

脚注

外部リンク

  • 九月 (@kugatsu_main) - X(旧Twitter)
  • 九月の『読む』ラジオ (@kugatsu_readio) - X(旧Twitter)
  • 九月劇場 - YouTubeチャンネル
  • 九月 (noteobonai) - note

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