バラク 8(英語: Barak 8)は、イスラエルとインドが共同開発した艦隊防空ミサイル。また陸上用にダウンサイジング化したバラク MRも派生したほか、後にはより長射程のミサイルもラインナップに加えて、モジュラー化・スケーラブル化したバラク MXシステムへと発展した。
来歴
イスラエルでは、2000年にシンガポール海軍のラファイエット級フリゲート派生型(後のフォーミダブル級フリゲート)向けにバラクの長射程型(スーパーバラク)を提案したものの、この時点では採用に至らなかった。しかしその後も、サール5型コルベット改良型向けの次世代防空システムとして、長射程型バラクの開発は継続されているものとみられていた。
その後、2000年代中盤からはインドとの共同開発が模索され、2006年1月27日には両国の合意が成立した。これに基づき開発されたのがバラク 8で、2009年に航空ショーで公表された。
設計
ミサイル本体の開発はラファエルが担当しており、同社のダービーと外見的に類似している。ロケットモータは2パルス式で、最大飛翔速度はマッハ2、発射直後の針路調整は推力偏向によって行う。射程は初期モデルは70 kmだったが、後に改良されて100 kmに延伸された。また長射程型のバラク 8ERでは150 kmにまで延伸されている。
ミサイルの誘導方式は、中途航程では指令誘導、終末航程ではアクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)または赤外線画像誘導(IIR)が用いられる。中間指令誘導にはEL/M-2248 MF-STAR多機能レーダーが用いられる。
運用者と搭載艦艇
- イスラエル海軍
- サール5型コルベット(バラク-Iを換装)
- サール6型コルベット
- インド海軍
- カモルタ級コルベット
- コルカタ級駆逐艦 - 32連装VLS×2基 (64セル) を搭載。
- ニルギリ級フリゲート (2代)
- ヴィシャーカパトナム級駆逐艦
- ヴィクラマーディティヤ
- ヴィクラント
脚注
注釈
出典
参考文献
- 多田智彦「世界の艦載兵器」『世界の艦船』第811号、海人社、2015年1月。 NAID 40020297435。
- 多田智彦「現代の艦載兵器」『世界の艦船』第986号、海人社、2022年12月。CRID 1520012777807199616。
- Hooton, E.R. (2001), “Surface-to-air Missiles, Israel”, Jane's Naval Weapon Systems (Issue 35 ed.), Jane's Information Group Ltd, NCID AA11235770
- Missile Defense Advocacy Alliance (2018), Barak 8, Missile Defense Advocacy Alliance, https://missiledefenseadvocacy.org/defense-systems/barak-8-2/ 2025年1月1日閲覧。
関連項目
- アスター - ヨーロッパで開発された対空ミサイル。ARH誘導方式を採用している。




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