テラフージア・トランジション(Terrafugia Transition)は、米国の空陸両用の軽飛行機(スカイカー)である。DARPAのトランスフォーマーTXなどスカイカーの製造を行ってきたテラフージア社が製造し、2006年に開発を開始した。
概要
Transitionのエンジンにはロータックス社の912S型ピストンエンジンが採用されている。地上走行時は後輪駆動の動力、飛行時には推進式プロペラの駆動動力として使用される。燃料には自動車用の無鉛ガソリンを使用し、最高速度185km/h、航続距離740km(いずれも飛行時)を実現する。地上での最高速度は105km/hである。
機体は炭素繊維強化プラスチック製で、折りたたみ可能な主翼と双尾翼を持つ。主翼を折りたたんだ状態の寸法は、車高2.0m、車幅2.0m、車長5.9mであり、米国の標準的な車庫に収納できるように設計されている。自動操縦装置は装備していない。発売時の価格は20万から25万米ドルと予想されている。また、2010年時点では予約金1万ドル(約80万円)にて同社のホームページで予約も行なっている。当初は2011年の初出荷を目指していた。
試作機は米連邦航空局 (FAA) の監督のもとニューヨーク州のプラッツバーグ国際空港で機体記号N302TFを付けて2009年3月5日に初飛行を行った 。
2010年7月1日、Terrafugia社はFAAの最大離陸重量規定の適用除外を受け、重量650kgながら軽量スポーツ用航空機の認定を受けられるようになったことを発表した(通常、軽量スポーツ用航空機の最大離陸重量は600kgに制限されている)。これにより、路上走行用の自動車に義務付けられているエアバッグやバンパーなどを装備できるようになった。
2012年4月には、国際自動車展示会のニューヨーク国際オートショーに出展された。TerrafugiaのディートリッヒCEOによると、年内は試験を続行して2013年の発売を目指している。
2017年11月に、Terrafugiaは中国の吉利汽車の親会社の浙江吉利控股集団に買収され、3倍の人員と資金を得て開発体制を安定させたことから2019年の市販を発表し、2018年10月に世界初の量産型スカイカーとして注文開始した。
仕様
アメリカのウィスコンシン州で開催されたオシュコシュ航空ショーで、2010年7月26日にTransition量産機の仕様が公開された。
脚注
関連項目
- スカイカー
外部リンク
- Terrafugia社公式サイト
- Terrafugia Transition - First Flight Video Press Release(2009年3月のテストフライト) Plattsburgh, NY. (YouTube)
- Mone, Gregory (2008年10月). “The Driving Airplane Gets Real”. Popular Science: pp. 42–48. http://www.terrafugia.com/news/archives/2008-1001-PopularScience.pdf 2009年3月20日閲覧。
- “Photo of Transition cockpit at Oshkosh 2008”. Flickr (2008年7月28日). 2009年3月26日閲覧。




