阿呆鳥(あほうどり)は、福島県いわき市出身のフォークグループ。

経歴

「信天翁」時代

メンバー三人は福島県立磐城高等学校の同級生(1956年生まれ)。1974年にこの三人とリーダーとなるもう一人の同級生との四人で、前身となるグループ「信天翁」(あほうどり)を結成。この時は、ピーター・ポール&マリー、ジョーン・バエズ、ボブ・ディラン、かぐや姫などのコピーを中心に活動していた。しかし同年、リーダーが水の事故で死去。残された三人のメンバーは同年の暮れにいわき市常磐市民会館で「追悼コンサート」を行い、これを以って「信天翁」は一度解散。

プロデビュー、解散

その後、菊池は國學院大學、北郷は法政大学、金子は青山学院大学理工学部へそれぞれ進学。1978年の春に三人は再会し、再結成に至る。グループ名は、読みの「あほうどり」はそのままで「信天翁」から「阿呆鳥」に改めた。プロデビューを目指し、色々なコンテストに出場して、10位以内常連にはなるものの優勝は出来なかった。その中で、約800人の客を集めた1974年の追悼コンサートの感覚から、東京で始めるのではなく、地元・いわきから始めて東京へ進出して行こうという方法をとった。コンサートの度に客が増えていき、1980年12月21日には、地元の平市民会館(いわき芸術文化交流館アリオスの前身)で立ち見が出るほどの盛況ぶりになるまでに至った。

そしてプロデビューが決まり、NEWSレコード(Eastレーベル)に所属。1981年8月21日発売のシングル『物語』でデビュー。オリコンチャートで最高38位、8.4万枚のセールスながら、100位以内に18週ランクインするヒットとなった。デビューした1981年の10月から1983年6月まで、オールナイトニッポン(ニッポン放送)のパーソナリティも担当。しかしプロになったことで日々の生活は大きく変わり、様々なプレッシャーも抱くようになった。スタッフとの間にもつれが生じ、各メンバーの気持ちもすれ違うようになっていった。一区切りと考えていた30歳目前、「まったく売れなくなってやめるより、惜しまれながらやめた方がいい」ということで、1986年のファイナルコンサートを最後に解散。行き詰まりからの解散だった。

再結成、現在の活動

3人は別々の道を行き、その後菊池はソロ活動に転じて、1996年6月のシングル『あいつとビートルズ』で再デビュー。また、福島中央テレビ『ゴジてれシャトル』『ゴジてれ土曜版』にレギュラー出演。一方ラジオでは、SEA WAVE FMいわき、エフエムきたかたに冠番組を持つ。そして、従来の阿呆鳥のファンクラブをステップアップし「一歩一歩倶楽部」を結成。その事務局を福島県石川郡石川町に「(有)エルフ音楽出版」として設立。

解散から15年経った2001年、三人が再集結し、いわき市文化センターでコンサートを開催。2003年には20か所で阿呆鳥再結成コンサートを行う。そして2011年5月1日にスカイミュージックエンターテイメントより発売されたベストアルバム『こころの架け橋』で全国再デビューを果たす。一方でメンバーは、福島県内でギター教室やボーカル教室を開催しながら活動している。

メンバー

  • 菊池 章夫 (きくち あきお 1956年5月23日 - )- ヴォーカル、ギター 愛称「くまさん」
    影響を受けた歌手は松山千春。
    阿呆鳥のスポークスマン担当。
    福島県いわき市の湯本地域出身。現在は福島県石川郡石川町に居住。
    1991年に帰郷し、いわき市などの会社に勤務。その一方、FMいわきでパーソナリティを担当したことがきっかけとなり、1996年より音楽活動を再開した。
    現在はいわき市、郡山市でギターやボーカル教室を主宰しながら、保育園・小学校・中学校・高等学校の講演会や演奏会に出向いている。また、いわき市内の全ての学校や公共施設のトイレの掃除を手掛ける「いわき掃除に学ぶ会」代表世話人・代表幹事を2007年から務めている。
    2021年より、福島県耶麻郡西会津町のスタジオ「710 Studio(なないちまる スタジオ)」にて阿呆鳥や菊池の楽曲を演奏した動画が、YouTubeにアップロードされている。
  • 北郷 勇一 (きたごう ゆういち 1956年7月30日 - )- ヴォーカル、ベース 愛称「ゆうちゃん」
    影響を受けた歌手は吉田拓郎、井上陽水。
    「阿呆鳥」のリーダーを務めており、グループ全体のマネジメントも担当していた。
  • 金子 透 (かねこ とおる 1956年9月14日 - )- ヴォーカル、ギター、マンドリン 愛称「とおる(ちゃん)」
    影響を受けた歌手はかぐや姫。
    阿呆鳥のステージディレクター担当。
    いわき市の小名浜地域出身。
    1986年解散後はいわきに戻り、建設業や品質管理、イベント企画などの仕事をしていた。かつて阿呆鳥ファンクラブの電話番をしていた森川由加里の曲『SHOW ME』を仕事中にラジオで聴いて、ミュージシャンだった我に返り、その後は音楽に係わる仕事もするようになった。現在は福島県いわき市草木台にて、ラッセン絵画専門のアートショップ「マリンアート・ラッセン」を経営している。また、土・日曜日は自宅でラッセンのギャラリーを開いている。

ディスコグラフィー

「阿呆鳥」として

シングル

オリジナルアルバム

トラック一覧
  • 阿呆鳥Ⅰ〜ドラマチック(1981年10月21日)
  1. 故郷へ
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  2. 二人道
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  3. コスモ・セーリング
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  4. 物語 ―ドラマチック―
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  5. 愛が通りすぎて
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  6. 自由は見えず
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  7. Yによせて
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  8. こんな僕だから
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  9. 涙葉
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  10. 心をひらいて
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:矢野立美
  11. 一億の中の一人
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:星寿紀
  12. 黒珈琲(ブラックコーヒー)
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/補作詞曲:菊池章夫/編曲:金子透/編曲:星寿紀
  13. 翔べ限りない夢へ
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:星寿紀
  • 阿呆鳥Ⅱ〜壁にかけた地図 (1982年4月21日)
  1. 黄昏の狩人
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  2. 紫陽花の頃
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  3. 夢追い人
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  4. そして少女は
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  5. 徒然話
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  6. ふるさとは今
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  7. すてきな片想い
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  8. 大っきな空
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  9. エアポート
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  10. 人生は……
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  11. たゞそれだけ
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  • 阿呆鳥Ⅲ〜通りすぎた街 (1982年12月21日)
  1. あの日のままで
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  2. 青春の街並み
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  3. 掌(てのひら)
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  4. もう一つの童話
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  5. ビバルディーに恋して
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  6. 想い出絵巻 ~アルバムバージョン~
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  7. 今この時に乾杯
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  8. ボロボロスニーカー
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  9. 時計
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  10. 歩き続けて
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  11. 悲恋
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  12. 想い出絵巻 ~シングルバージョン~
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:瀬尾一三
  • 阿呆鳥Ⅳ〜パブリックレストラン (1983年9月21日)
  1. 愛した分だけ
    • 作詞:金子透/作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  2. よ・う・こ
    • 作詞:北郷勇一/作詞:遠藤幸三/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  3. カーネーション
    • 作詞:北郷勇一/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  4. しあわせ芝居
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  5. いつからか
    • 作詞:菊池章夫/作曲:清須邦義/編曲:梅垣達志
  6. リバイバル
    • 作詞:北郷勇一/作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  7. 紙飛行機のラブレター
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:梅垣達志
  8. 想い出のリッカーミシン
    • 作詞:菊池章夫/作曲:菊池章夫/編曲:安田裕美
  9. あいつとビートルズ
    • 作詞:北郷勇一/作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  10. 夢めぐり ~アルバムバージョン~
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:松井忠重
  11. 窓越しに東京
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:川村栄二
  12. 私小説
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美
  13. 夢めぐり ~シングルバージョン~
    • 作詞:菊池章夫/作曲:北郷勇一/編曲:安田裕美

コンピレーションアルバム

ベストアルバム

タイアップ一覧

「菊池章夫」として

シングル

オリジナルアルバム

コラボレーションアルバム

ベストアルバム

トラック一覧
  • こころの架け橋 (2011年5月1日 スカイミュージックエンターテイメント)
  1. 生命の酒いのちのしずく
  2. ムジナ君とドナルド君
  3. しみじみと…
  4. あなたには聞こえる
  5. 美しき者達へ
  6. さびしさとして…しあわせとして…(嫁ぐ日に)
  7. プロポーズ
  8. 大いなる青春
  9. ひまわり
  10. 半世紀に乾杯
  11. 青春譜 ※石川町さくらイメージソング

タイアップ一覧

出演

ラジオ

「阿呆鳥」として

  • 阿呆鳥のほっかほか瓦版(ラジオ福島)
  • 阿呆鳥のオールナイトニッポン(ニッポン放送、1981年10月 - 1983年6月)
  • ジャンボリクエストAMO(TBCラジオ、1984年 - 1987年)

「菊池章夫」として

  • 菊池章夫のおもいっきり変なラジオ(2003年8月~、エフエムきたかた)
    毎週火曜日 20:00~21:00。
  • きくちあきおのIt's a KumaKuma タイム → きくちあきおの人生 喜怒哀楽(SEA WAVE FMいわき)
    毎週金曜日 20:00~21:00。再放送は、毎週金曜日 24:00~25:00(土曜日 0:00~1:00)。

テレビ

※いずれも菊池のみ出演。

  • ゴジてれシャトル(福島中央テレビ)
  • ゴジてれ土曜版(1997年4月~2002年4月、福島中央テレビ)

脚注

注釈

出典

関連項目

  • 阿呆鳥のオールナイトニッポン

外部リンク

  • 菊池章夫ホームページ
  • 菊池章夫のおもいっきり変なラジオ - 喜多方シティエフエム公式サイト
  • きくちあきおの人生 喜怒哀楽 - SEA WAVE FMいわき公式サイト
  • 710 Studio - 710 Studio 公式サイト
  • 710 Studio - 710 Studio 公式YouTubeチャンネル



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