遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 光のピラミッド』(ゆうぎおう デュエルモンスターズ ひかりのピラミッド、原題:Yu-Gi-Oh! The Movie: Pyramid of Light)は、2004年8月13日に全米で公開された劇場用アニメ。テレビアニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の映画化作品である。

概要

『遊☆戯☆王』メディアの海外展開に伴い、人気急上昇中だったアメリカ市場での公開用に製作された映画。全米2411館という比較的大きな規模で公開され、週末興行成績は約949万ドルでランキング初登場4位(日本映画のトップ5入りは『劇場版ポケットモンスター』以来3年ぶり)。興行収入は約1977万ドルで、全米で公開された日本アニメ映画の中では、2019年1月に『ドラゴンボール超 ブロリー』が公開されるまで、『劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲』『劇場版ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕』に次ぐ歴代3位の記録を保持していた。現在は全米歴代5位に位置している。のちにイギリス、オーストラリアでも公開され、全世界興行収入は約2917万ドルを記録した。

舞台はバトルシティ編終了後の童実野町。古代エジプトの謎や闇のゲーム、キャラクターたちの友情といった『遊☆戯☆王』の特徴を盛り込んだエンターテイメント作品に仕上がっている。

その後日本に逆輸入するにあたって、カードテキスト、声優、BGMは日本版アニメと同じものを使用。また単純な海外版の流用ではなく日本版用に追加シーンもある(例:遊戯が千年パズルを完成させるのを目撃する双六、等)。更には一部のシーンの使用タイミングの変更もされている。日本ではロードショー公開はされず、招待客向けに特別試写会が行われた。その後2005年1月2日にテレビ放送、同年3月16日にDVDが発売された。

ストーリー

バトルシティでの戦いを経て三枚の「神のカード」を入手した武藤遊戯。ライバルの海馬瀬人は彼を打ち倒すべく、デュエルモンスターズの創始者ペガサス・J・クロフォードのもとを訪れ、「神のカード」を打ち破る強力な二枚のカードを手に入れる。再び遊戯に挑む海馬であったが、そのデュエルの裏には千年パズルと対をなす8つ目の千年アイテム「光のピラミッド」を所有したアヌビスの邪悪なる陰謀が隠されていた。

キャスト(日本語版 / 英語版)

  • 武藤遊戯(Yugi Muto) - 風間俊介(ジャニーズJr.) / ダン・グリーン
  • 真崎杏子 (Téa Gardner)- 齊藤真紀 / エイミー・ビルンバウム
  • 城之内克也(Joey Wheeler) - 高橋広樹 / ウェイン・グレイソン
  • 本田ヒロト(Tristan Taylor) - 菊池英博 / フランク・フランクソン
  • 海馬瀬人(Seto Kaiba) - 津田健次郎 / エリック・スチュアート
  • 海馬モクバ(Mokuba Kaiba) - 竹内順子 / タラ・ジェイン
  • 武藤双六(Solomon Muto)- 宮澤正 / マディー・ブラウスティン
  • ペガサス・J・クロフォード(Maximillion Pegasus) - 高杉Jay二郎 / ダレン・ダンスタン
  • アヌビス(Anubis) - 石井康嗣 / スコッティー・レイ
  • デュエリスト - 吉川寛司、石橋美佳、冨田真
  • エンジニア - 松本忍、長瀬博高
  • 警備員 - 岩間健児、髙木俊
  • アナウンス - 長浜満里子
  • その他 - 中尾友紀、吉田麻子
  • ナレーション - 池田政典

スタッフ

  • 原作:高橋和希 / スタジオダイス(集英社「週刊少年ジャンプ」)
  • オリジナル脚本:武上純希、彦久保雅博
  • 英語版脚本:マシュー・ドルデック、ロイド・ゴールドファイン、ノーマン・J・グロスフェルド、マイケル・ペコラーロ
  • 企画:岩田圭介、原田孝、生田英隆
  • エグゼクティブプロデューサー:永井秀之、鈴木民三、山下秀樹、アルフレッド・R・カーン、ノーマン・J・グロスフェルド
  • プロデューサー:小林敦子、笹田直樹、ロイド・ゴールドファイン、カティア・ミラニ、マイケル・ペコラーロ
  • 絵コンテ:辻初樹、菱川直樹、南康宏
  • 監督・キャラクターデザイン・総作画監督:辻初樹
  • モンスターデザイン:島村秀一
  • 美術監督:イ・フェヤン
  • 撮影監督:枝光弘明、チェ・ドッギュ、ホ・テヒ、キム・ガンオク
  • 色彩設計:中村千穂
  • 編集:中川晶男
  • 音楽:光宗信吉
  • 音響監督:平光琢也
  • 録音監督:三ツ矢雄二
  • 効果:野口透(アニメサウンド)
  • 音響制作:神南スタジオ
  • 録音・調整:山田均
  • 音響制作進行:小泉紀介
  • キャスティング協力:等々力佐和子(ネルケプランニング)
  • ラインプロデューサー:若菜章夫
  • アシスタントラインプロデューサー:八田正宣
  • 英語版オリジナルスコア:エリック・アルヴァーツ、ジョン・エンジャー、ジョエル・デューク、ラルフ・シュケット、ウェイン・シャープ、フレディ・シェインフェルド、ギル・タルミ
  • アニメーション制作協力:同友アニメーション
  • アニメーション制作:ぎゃろっぷ
  • 製作:映画「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」製作委員会(集英社、テレビ東京、NAS、コナミDE、東宝)、4キッズエンタテインメント

主題歌

「Fire」
作詞 - 3 3 / 作曲・歌 - BLAZE(デンジャー・クルー エンタテインメント)
IKE(アイク)こと生沢佑一がヴォーカルを務めるロックバンド「BLAZE」のアルバム「DANGER ZONE」からの楽曲。全編英語歌詞で、デュエルヴォーカルベストにも収録されている。ちなみにこの曲は日本語版の主題歌であり、英語版では使用されていない。

備考

  • テレビシリーズ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』の海外版ではライフポイントの表示やカードのデザインなどが変更されているが、本作ではライフポイントの表示は日本版と同じ物のままである。またカードもOCGの海外版をそのままスキャンしたものが採用されている。
  • 劇場で配布されたプロモカードは「Blue-Eyes Shining Dragon(青眼の光龍ブルーアイズ・シャイニングドラゴン)」「Sorcerer of Dark Magic(黒の魔法神官マジック・ハイエロファント・オブ・ブラック)」「Watapon(ワタポン)」「Pyramid of Light(光のピラミッド)」の4枚。
  • 日本語版特別試写会鑑賞者には、日本語版「ワタポン」のカードが配布された。このプロモカードは非常に希少価値が高く、ネットオークションやカードショップなどで高額で取り引きされている。
  • 英語版サウンドトラックにはブラック・アイド・ピーズが「For The People」というタイトルの楽曲を提供しているが、劇中では未使用となっている。エンディングにも使用されていない。
  • 公開初日に、カリフォルニア州の映画館でプロモカード全2400枚が盗まれる事件が発生した。ワーナーブラザースの社員を装った二人組の男が「間違って別のカードを送ってしまったので交換する」と嘘をついてカードを盗んだと報道された。
  • JUMP j BOOKSより小説版が刊行されている。映画ではほとんど謎に包まれているアヌビスの正体など、映画の内容を補完する形でキャラクターがより詳細に描かれている。

脚注

外部リンク

  • Yu-Gi-Oh! THE MOVIE

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